内海好江

 長崎から特急に乗って帰ることになった。7両目に乗ったのだけどもっと後ろの方が環境がよさそうだったので9両目くらいに行こうとしたら、7両目と8両目の間が狭い穴みたいになっていて、これ夢で月1くらいで見る狭い穴を通ろうとしたら途中で引っかかって抜けなくなるアレに似てるなあ、やめとこうと思って仕方なく前の車両に行くことに。席が空いてなくて結局1両目まで来た。1両目は座席があまりなく、つり革だらけだった。仕方なくつり革をつかんで立っている。

 1両目には中学生のヤンキー手前みたいな男の子が5人くらいいた。うちひとりは中学の頃の同級生のSにとても似ていた。このなかではリーダーらしい。他の4人くらいがニヤニヤしながら7万儲かったという話をしている。7万といえば、そういえば僕はいま財布に7万入っていて、その財布を入れたカバンごと7両目に置いてきていたことに思い至った。それで、もしかしたらこいつらがその7万を盗ったのではないかと考え、S似の彼に話しかける。S似は当然のことながら「違いますよぉ」という。ヘラヘラしている感じが中学校の同級生のSにほんとによく似ている。とうとう「もしかしてSくんじゃない?」と訊くと、違いますよと言われる。今度は割と真面目な感じで。よく見ると制服に刺繍で「志田」と書いてある。

 電車が止まるはずのない小さな駅で止まった。2両目に、尻から血が出ている内海好江師匠がいて、どうも師匠が止めたらしい。このタイミングでホームから9両目くらいのところまで移動しようとすると、列車は2両しかなかった。内海好江師匠が間違えて2両目で車両を切り離したそうだ。