Time

 自分が主催する催しの本番直前に、関わってくれたみんなが自分の悪口を言っているのを聞いて、全員クビとわめき散らした。彼女から、そういうのよくないよとたしなめられたけど、実際僕の悪口を言い続けているひとを目の当たりにして、あんたたちなんかいなくなってくれた方がいいみたいなことを言ってくれた。

 僕はがっかりして、気を紛らすために散歩に出た。住宅地の奥にあるTimeという自動車の部品を売っている小さなお店があったのでそこに入る。と、今日でこの町から引っ越すという親子が挨拶に来ていて、その様子を眺めたりしていた。

 そのうちここはくるりがライブしてた場所だと気付いて、お店のひとと長く話し込んだ。ふと携帯を見ると未読のメールが23+とかになってて、電話の不在着信も10+とかになってた。メールを見ると「あと8分で本番だけど大丈夫?」とか「具合悪いの? 連絡ください」とかいった社長からの連絡だらけで、時計を見ると本番の時間を40分以上過ぎてた。血の気が引いて、何もかもが嫌になった。