悲しい映画

 予告編が気になってたアニメ映画を観た。予告では、ゾンビになるウィルスに侵された高校生の女の子が、最終的に発症して恋人の男の子を殺してしまうっていう感じの悲しいあらすじだったんだけど、意を決して観た。

 男の子と女の子は付き合ってるような付き合っていないような淡い関係。女の子は少し前に、感染して発症すると、身体中の血が噴き出して死んでしまい、ゾンビになるというウィルスに感染したかもしれない。感染の疑いがあるひとは、国が隔離している。隔離とはいっても、結局はそこで、感染が拡大する前に殺されてしまう。彼女は隔離から逃れていた。

 男の子はある時から女の子といっしょにひっそりと暮らすようになる。やがてそこにウィルスに感染した女の子がいるということがバレて、国から追われるようになる。原付にふたり乗りして逃げる男の子と女の子はほんとうにたのしそうだった。

 かくまってもらうべく、男の子の姉がやっている料理教室に行くふたり。そこで急に男の子が発症してしまう。姉にこっちおいでと言われても、5メートルも動けないという男の子。高熱で倒れてしまう。付きっ切りで看病する女の子。そのうち女の子にも症状が現れ始める。先に私が死ぬからという女の子を、男の子はぐったりしながらも励ます。

 やがて、先に全身から血を吹き出して女の子は死んでしまう。その激しさに、死後もなお身体が痙攣している。その状態を「ゾンビ」と呼んでいるらしい。ゾンビになって身体がガクガクしている女の子を男の子は抱きしめる。女の子の黒目がちな目がカッと開いたかと思うと、男の子の首に噛みつき、男の子も死んでしまう。

 救いも何もない悲しい映画だった。